障がいがある人も
スポーツが
できることを
自分自身が証明したい
黒川 真菜
KUROKAWA MANA
パラローイング

passion

パラリンピックで活躍して、
障がいのある子どもやその保護者に
「自分にもできるんだ!」と
夢を持ってもらえる結果を残したい

黒川 真菜
競技名
パラローイング
生年月日
1998/12/22
競技実績
岐阜レガッタ パラ部門
優勝(公式戦デビュー)
朝日レガッタ パラ部門
準優勝(西日本最大のレース)
かいつぶりレガッタ 一般の部
優勝

高校までは陸上競技の選手。パラリンピック出場を目指してローイング競技に転向

─ パラローイングに出会うまでのことを教えてください。

黒川さん(以下、黒川):高校までは陸上部にいて、短距離種目の選手をしていました。高校を卒業してからも陸上競技を続けたいと考えていましたが、整った練習環境がなく、ランニングは続けていたものの「続けるのは難しいかも」と感じていて……。ですが、「パラリンピックに出場してみたい」という気持ちはあって、「陸上以外でできるスポーツがあれば」と考えるようになりました。

─ そこからローイングに出会ったのは?

黒川:2017年の8月にパラアスリート発掘のイベントに参加したのがきっかけです。そこに現在所属している「琵琶湖ローイングCLUB」が出展していて、今村コーチにスカウトされ、パラローイングという競技があることを知りました。
会場にローイング用のエルゴメーター(船を漕ぐ動作を陸上で行う器具で、トレーニングのほかスポーツ能力測定にも使用される)があって、それを使ってその場にいた人とローイングのスピード勝負をしたんです。結果は、2回勝負して両方とも負け。悔しかったですね(笑)。
それから琵琶湖へ見学に行くようになり、小原代表に「やってみよう!」と背中を押してもらって、ローイングを始めました。

個人競技からチームの世界へ。仲間とともに高めあえる環境に出会えました

─ パラローイングの魅力について教えてください。

黒川:パラローイングというのは大きく言うと障がいの種類によって1人乗り、2人乗り、4人乗りの種目に分かれていて、私がやっているのは4人乗り(フォア)です。4人乗りでは男女2人ずつでボートに乗り、「コックス」という舵手の指示のもと、2000mの距離を進みます。2000mという距離は健常者の競技と同じ距離なんですよ。
高校までやっていた陸上は基本的には個人競技でしたが、パラローイングはチーム競技。一人だけで頑張るのではなく、チームのメンバーとコミュニケーションをとって、一緒に「頑張ろう!」と高めあっていけるところが一番の魅力かもしれません。

─ コミュニケーションはやっぱり大切だと感じますか?

黒川:はい。仲間のことを信頼していることはとても大切だと思います。選手の中では私は若いほうなので、先輩から教わることも多いですね。普段の大会などでは、一緒にボートに乗るメンバーは固定というわけではないので、その都度コミュニケーションをとりながら関係を築いていきます。

学校と競技生活の両立。時間的・経済的な負担が大きかった

─ 普段の生活についてですが、現在、黒川さんは学生ですよね。練習はどのようなスケジュールで行っていますか?

黒川:平日は屋内でのトレーニングがメインです。毎日できるトレーニングはエルゴメーターを漕ぐこと。エルゴメーターは実家にあるので、学校の授業が終わってから実家に通っています。他には週に2回、自宅のある大阪で筋力トレーニングや体幹トレーニングをしています。

─ 移動時間も含めると、かなりハードですね。休日のスケジュールはどうですか?

黒川:土日は学校が休みなので、琵琶湖には週に1~2回行っています。水上での練習は貴重な機会なので、大切にしたいですね。完全に予定のない休日は、好きなアーティストのライブを観に行くこともありますよ!

─ とはいえ、大阪から琵琶湖へ通うのは大変では?

黒川:そうですね。時間も交通費もかかりますし、以前は生活費と練習の費用を稼ぐためにアルバイトをしていました。でも、アルバイトをしていると練習の時間が上手にとれないという悪循環におちいっていて……。アルバイトが終わってから実家に戻り、エルゴを漕ぐのは夜の10時以降ということも多く、次の日はまた朝から学校に通う生活をしていました。

DOSAパラエールから支援を受けられたことで、練習に集中できる環境が整いました

─ DOSAパラエールから支援を受けるようになって、大きく変化したのはどんなところですか?

黒川:やっぱり練習により多くの時間を安心して使えるようになったところですね。アルバイトのお給料と同じくらいの支援を受けることができたので、アルバイトに費やしていた時間をすべて練習に回せるようになりました。それから、専属トレーナーの方にもついてもらえるようになったので、パラローイングという競技に選手としてきちんと向き合えるようになったと感じます。

─ 他に、強化したいところは?

黒川:メンタルでしょうか(笑)。練習時間ももっとほしいと感じますが、自分自身のなかにある「まぁいいか」「今日はいいや」という甘えをなくさなければ、練習内容も実にならないと思います。ボートは『しんどい時にどれだけ頑張れるか?』というスポーツなので、自分を追い込める気持ちの強さがほしいです。
同じチームのキャプテンでもある谷口佑樹選手は、そういった気持ちの強さを持っている人で、目標に向けてストイックに努力している人が身近にいるおかげで「自分も頑張らなきゃ!」と思えるようになりつつあります。谷口さんには練習方法についてアドバイスをもらうこともあり、恵まれた環境にいると感じますね。

障がいがある人もスポーツができることを、自分自身が証明したい

─ 2020年に向けての目標を教えてください。

黒川:パラリンピック出場をめざす上で、まずは強化選手指定の条件であるローイングマシンでの基準タイムを満たすこと。私の場合は2000mで8分17秒台を出すことが求められますが、今の記録はまだ9分台。厳しい条件ですが、トレーニングを重ねています。
もっと先の目標としては、私がパラリンピック出場をめざし始めたきっかけでもありますが、子どもたちに私の姿を見せたいということでしょうか。私が通っていた盲学校には幼稚園児から大人まで一緒に通っていて、子どもたちと触れ合う機会もありました。そこで感じたのが、障がいをもっている子どもの保護者はどうしても「うちの子にはスポーツなんてできないから……」と諦めてしまっているということ。でも、私が世界の舞台で活躍することで「自分にもできる」「この子にもできる」と思ってもらえるんじゃないかな、と考えています。障がいをもっている人もスポーツを楽しめるし、パラリンピックに出場してスポーツで活躍することもできる、という道を示したいです。

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黒川 真菜
KUROKAWA MANAパラローイング
出身地
和歌山県和歌山市
障がいの種類
視覚障害(弱視・視野欠損)