プレスリリース記事詳細

『リクナビDMPフォロー』に係る当社に対する勧告等について

本日、株式会社リクルートキャリア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林 大三)は、個人情報保護委員会より、個人情報保護法第42条第1項の規定に基づき勧告及び第41条の規定に基づき指導を受けました。
学生の皆さま、企業、大学の関係者の皆さまなど各所にご心配、ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。今回の勧告・指導を厳粛に受け止め、今後このような事態が再発することのないよう経営、従業員一丸となって改善対応に取り組んでまいります。

なお、本件に関しまして、当社内における事実精査(経緯や、対象となる学生の皆さまの特定など)や社外の関係各所からの調査が継続する中、当社からの発信を控えていたため、本日に至るまで事態の全容について十分なご説明ができなかったことを、あわせて深くお詫び申し上げます。

1.今回の勧告・指導について
当社サービス『リクナビDMPフォロー』について、個人情報保護委員会による調査の結果、個人情報保護法第42条第1項の規定に基づき勧告及び第41条の規定に基づき指導を受けました。内容は、以下の通りです。

<「勧告」について>

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<「指導」について>

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2.課題認識と今後の方針
当社の新卒事業は、就職活動における学生の皆さまと企業の最適なマッチングを役割として、両者の間に立って、事業を営んでまいりました。しかし、今、私たちへの信頼は失墜しており、事業の存続そのものに関わるレベルであると認識しています。
今回の『リクナビDMPフォロー』で起きた問題の根本は、「学生視点の欠如」と、「ガバナンス不全」にあると考えています。この現状を重く受け止め、ゼロからの再出発として、新卒事業のあり方を含めた抜本的な見直しを行ってまいります。「学生視点の欠如」に関しては、具体的には、私たちに欠けていた学生の皆さまの視点が新卒事業の重要な意思決定に反映されるよう、2020年1月を目処に新卒事業の経営体制を変更することを予定しています。また、「ガバナンス不全」に関しては、下記の対応策を実行してまいります。
なお、本件の経緯等については、「<参考>『リクナビDMPフォロー』に関する事実情報」をご参照ください。

3.ガバナンス強化に向けた対応策
本件におけるガバナンス不全の具体的事象と対応策は以下の通りです。

  • 事象① 研究開発的な位置づけの商品に対する複眼的なチェック体制の脆弱性
    『リクナビDMPフォロー』サービスは、研究開発的な商品であったため、通常の商品開発とは別のプロジェクトが組まれて推進され、その結果、複眼でのチェックが十分に機能しない状態に陥っていました。具体的には、学生の皆さまの心情に配慮する視点をサービス開発に適切に反映することができないままサービス開発が進んでしまいました。

  • 対応策① 商品・サービスのチェック体制の標準化と複眼的チェック
    『リクナビDMPフォロー』サービスのように研究開発的な商品を含むすべての商品・サービスにおいて、ビジネス検討・商品設計からリリースまでの検討フローを標準化し、学生の視点やリスクの観点を盛り込んだ複眼的なチェックポイントを設けることについて検討を開始いたします。

  • 事象② イレギュラー対応に関する作業手順の未整備
    『リクナビ』は年次商品であり、当該年度の商品・サービスがリリースされると、通常はリリース後に変更されることはないため、今回のようにプレサイトオープン後にプライバシーポリシーが改定されることはイレギュラーな運用でした。このイレギュラーな運用について、必要な作業や踏むべき工程が整備・明文化されておらず、関係者の認識が統一されていないまま対応が進行し、一部画面へのプライバシーポリシーの反映が漏れてしまうという結果につながりました。

  • 対応策② プライバシーポリシー改定作業手順の整備・明文化
    年次商品である『リクナビ』においても、リリース後、該当期中に商品・サービスが変更され、プライバシーポリシーの改定が必要となる可能性があることを見据え、プライバシーポリシーの改定作業手順の整備・明文化を行います。これにより、イレギュラーな変更が生じた場合においても、プライバシーポリシーの改定およびその反映等が確実に行われるようにいたします。

  • 事象③ プライバシー観点で商品・サービスを横断的にチェックする機能の不全
    今回のプライバシーポリシーの改定は、文面の作成は『リクナビDMPフォロー』開発担当部署、『リクナビ』への更新反映は『リクナビ』の運用担当部署、という分業で進行されており、各部署において作業内容のチェックが行われていました。しかし、『リクナビ』商品・サービス全体を横断して個人情報保護の観点から「プライバシーポリシー改定を行う本来の目的」「対応すべき範囲」「対応すべき内容」について把握し判断できる者は存在していませんでした。結果、両部署ともに「修正が指示通りに反映されているか」というチェックのみにとどまったことが、本件を発生させる一因となりました。

  • 対応策③プライバシー責任者の設置
    2019年10月より、個人情報保護の観点から、『リクナビ』全体を総合的に俯瞰するプライバシー責任者を設置いたします。『リクナビ』全体を横断的に見渡すことで、商品・サービスの変更が個人情報保護の観点において、どのように影響するかを統合的に判断します。プライバシーポリシー改定の際は、プライバシー責任者が更新反映の最終責任者となります。

  • 事象④ 専門的知見の活用にむけたスタッフ間の連携不足
    データ利活用など、新しい潮流の法的解釈やサービス提供におけるあらたなリスク分析を必要とするテーマにおいて、事業会社である当社の法務部門と親会社である株式会社リクルートの法務部門との間で、十分な連携が不足した状態でした。その状態で、主に当社主導で同サービスの検討がなされた結果、法的な整理が十分にできていない状態で、サービスのリリースに至りました。

  • 対応策④ リクルート全体でのスタッフ機能の統合と強化
    法務部門の強化のために、株式会社リクルートおよびその配下企業全体での法務組織の統合を行ってまいります。2019年10月より、当社の法務部門組織長を株式会社リクルート法務部署に兼務させ、法務機能統合の検討を開始いたします。リクルートグループ横断で法務に統合すべき機能と事業に残す機能を決定し、2020年4月を目途に法務機能の統合を行う予定です。加えて、法務メンバーが検討する内容が属人的にならないよう、検討内容の見える化なども実施してまいります。
    また、株式会社リクルートの法務部署においては、2019年10月よりデータマネジメント専属の組織が設置され、当社におけるデータ利活用についても当該組織と連携して検討してまいります。

以上

<参考>
『リクナビDMPフォロー』に関する事実情報


<1>本件の時系列について

2018年3月1日 『リクナビDMPフォロー』提供開始
2018年6月1日

『リクナビ2020プレサイト』オープン

└2020年卒学生の会員登録開始

2019年3月1日 『リクナビ2020』オープン
2019年7月9日 個人情報保護委員会からのヒアリング
7月31日 『リクナビDMPフォロー』の一時休止を決定
8月1日 当社よりプレスリリースを発表
8月2日 東京労働局より調査
8月2日 一部の画面上のプライバシーポリシーに不備があることが判明
8月3日 プライバシーポリシーの不備を修正
8月4日 『リクナビDMPフォロー』サービス廃止の決定
8月5日 『リクナビDMPフォロー』における学生7,983名を対象としたプライバシーポリシー同意取得の不備とサービスの廃止についてプレスリリース
8月5日 企業にデータ削除の依頼を開始
8月9日 7,983名の学生に対して、お詫びのご連絡を開始
8月21日 『リクナビ2020』上に、自身が『リクナビDMPフォロー』の対象になったか識別できる特設ページを開設
8月22日 リクナビ2020』の全会員に向けて改めてお詫びし、特設ページのご案内を開始
8月26日 本プレスリリース

<2>本件の影響範囲
①影響のあった学生、企業の全体像
『リクナビ2020』会員数  約82万人  
『リクナビ2019』会員数  約79万人  
『リクナビDMPフォロー』における分析スコア算出の対象者 合計74,878名
(『リクナビ2019』会員:12,330名、『リクナビ2020』会員:62,548名)
同意取得不備の対象となる『リクナビ2020』会員 7,983名
『リクナビDMPフォロー』のスコア提供企業 34社(契約企業は38社)


②7,983名の同意取得不備の発生原因
『リクナビ2020』では、2019年3月に、プライバシーポリシーを『リクナビDMPフォロー』の提供にあたって必要な内容に変更いたしました。『リクナビ2020』は、学生の皆さまが使用する複数の画面においてプライバシーポリシーに同意いただくサイト構成になっていますが、一部の画面においてその反映ができていませんでした。これにより、『リクナビ2020』に会員登録されている学生の皆さまの内、2019年3月以降にプレエントリー・イベント予約・説明会予約・ウェブテスト受検等の機能を利用されていない方で、かつ、『リクナビDMPフォロー』を導入した企業への応募者の中で2019年3月以降に『リクナビDMPフォロー』の分析スコアの対象となった方、計7,983名の情報が、適切な同意を得られていない状態で企業に提供されていました。(図1参照)

<図1>

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③7,983名の同意取得不備となったプライバシーポリシーの内容
2019年3月1日から8月2日の期間における実際のプライバシーポリシー及び本来掲載を予定していたプライバシーポリシーの該当部分は以下の通りです。

【実際に会員登録画面に掲載されていたプライバシーポリシー】
当社は、本サービスまたは当社と提携するサイトが取得したcookie情報を分析・集計し、ユーザーへの最適な情報提供および採用活動のためのクライアントへの情報提供を行うことがあります(選考に利用されることはありません)。(中略)当社は、ユーザー自ら個人情報を開示した場合には、個人を特定したうえで、ユーザーの当該情報開示以前からの行動履歴等を用いて、広告・コンテンツ等の配信・表示、採用補助および本サービスの提供をする場合があります。

【本来掲載を予定していたプライバシーポリシー】
当社は、ユーザーがログインして本サービスを利用した場合には、個人を特定したうえで、ユーザーが本サービスに登録した個人情報、およびcookieを使用して本サービスまたは当社と提携するサイトから取得した行動履歴等(当該ログイン以前からの行動履歴等を含みます)を分析・集計し、以下の目的で利用することがあります。
・広告・コンテンツ等の配信・表示等のユーザーへの最適な情報提供
・採用活動補助のための利用企業等への情報提供(選考に利用されることはありません)。


<3>『リクナビDMPフォロー』について
①サービス概要
『リクナビDMPフォロー』は、対象となる学生の方の選考離脱や内定辞退の「可能性」を示すサービスです。本サービスの提供により、企業には学生フォローにご活用頂くことを目的として開発されました。具体的には、契約企業における前年度の選考離脱・内定辞退者の『リクナビ』上での閲覧・行動履歴から、当該契約企業に対する応募行動についての予測モデルを作成します。そこに当該契約企業から提供を受けた今年度の応募学生情報について、当社が保有する当該契約企業の予測モデルに、応募学生の『リクナビ』上での行動ログを照合することで、「学生からの辞退」というかたちで選考離脱や内定辞退が起こる可能性をスコア値にし、契約企業に対して提示していました。
なお、『リクナビDMPフォロー』をご利用いただく契約企業には、当社から提供したスコアを、選考における合否判断の根拠には使用しないようお約束いただき、また、本サービスを提供する事前と事後に、当社担当者が実際の活用方法を確認しておりました。

②サービス提供スキーム
『リクナビDMPフォロー』は、2018年3月から研究開発的な位置づけの商品として提供を開始しています。なお、2019年2月以前と3月以降とでサービス提供のスキームが異なりました。(図2参照)

2019年2月以前
当社は、契約企業と業務委託契約を締結し、当社においては個人を特定できない企業特有のIDとcookie情報の開示を受けます。これに対して、当社内ではcookieなどを用いて個人を特定できない形で分析を行い、企業特有のID毎のスコアを納品し、個人との紐づけは当該企業の内部で行われる、という形式のサービスでした。

2019年3月以降
当社は、契約企業と業務委託契約を締結し、委託業務に必要な限度で個人を特定できる氏名などの情報の開示を受けます。これに対して、当社は、『リクナビ』が保有する情報と開示を受けた情報を突合・分析し、個人を特定したうえで算出したスコアを当該企業に納品する、という形式のサービスでした。
このスキーム変更に伴い、当社による個人情報提供にかかる同意取得を『リクナビ』のプライバシーポリシーで行うこととし、『リクナビ』各画面(※1)に表示するプライバシーポリシーの変更を実施しました。
※1:会員登録、プレエントリー、説明会予約、WEBテスト受検など


<図2>

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③スコアについて

納品するスコアは、値として、0.0~1.0 の範囲で個人ごとに算出しており、選考離脱や内定辞退の「可能性」を示します。スコア値が算出できない場合は、空白、N/A、スコアなし等の記載になります。実際に『リクナビDMPフォロー』において提供されていたデータのサンプルが図3です。上記②に記載の方法で算出された、選考離脱や内定辞退の「可能性」をスコアとして数値化し、契約企業の要望に合わせ、★、●などのカテゴリーとして表現し、レポートを提出していました。

<図3> 提供データの一例
スコアとして算出されている値は、パーセンテージではありません。即ち、例えば「スコア0.4」というのは、「辞退する確率40%」を表しているものではありません。
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*スコアの呼称は企業によって異なる場合があります。(予測スコア、score、prediction など)

【本件に関するお問い合わせ】
株式会社リクルートキャリア 社外広報グループ
kouho@waku-2.com 03-3211-7117

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