細野真悟

MEMBER企画|RCAの考える企画とは

自分たちの常識に逆らう
タブーに踏み込んだとき、
大きなうねりが生まれる。

細野真悟リクナビNEXT 編集長


細野真悟
細野真悟リクナビNEXT 編集長

2000年リクルート(当時)中途入社。システム開発、新規事業開発、商品企画などを経て、2015年、『リクナビNEXT』編集長に着任。「アイデアを実現し、使ってもらうまでが企画の仕事」を信条に、多様な商品・機能開発に尽力中。プライベートでも音楽コラボアプリ『nana』のサービス開発を手伝うなど活動の場は広い。

大切な人に使ってもらいたいサービスかどうか

私には、“企画人”として忘れることのできない経験があります。それは入社後、『リクナビNEXT』のシステム開発担当としていくつかの機能開発に携わったのち、営業支援部門に移ったある日のこと。営業担当の提案活動支援のため、クライアント企業に同行しました。そこで先方のご担当者から浴びせられたのは、現場のリアルな声。プロダクトとして至らない点をズバズバと指摘されたのです。私も営業担当も、返す言葉がありませんでした。それまで機能開発を重ねてきて、「これが転職NO.1サイトだ」という自負もありました。しかしそれは慢心だったと気づかされたのです。帰りの電車で私は同行した営業担当に尋ねました。「もし今、転職活動をするならどのサービスを使いますか?」。彼は答えに詰まりました。彼が答えに詰まった様子を見て、凄まじい悔しさと自分への怒りがこみ上げてきました。そしてこう誓いました。必ずや『リクナビNEXT』を、大切な家族や友人が転職を考えたときに一番に勧められる真のNo.1サイトにする、と。

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常識に逆らうタブーにこそ、巨大なパワーが秘められている

2015年4月からリクナビNEXT編集長に。クライアントからもカスタマーからも「さすがリクナビNEXT」と言われるプロダクトにするため、常識を疑い、タブーを恐れない企画実現に邁進しています。企画の手法には大きく2つの種類があります。1つめは、すでに多くの人が認識し、顕在化している課題を解決するもの。2つめが、世の中の常識や当たり前のなかにある課題を掘り起こし解決するもの。当然、後者のほうが難易度は高くなります。皆が「これでいい」と思っていることを変えようとすると、「そんな必要はない」、「常識外れだ」という抵抗が起こるからです。しかし実現できればとてつもないインパクトになる。人材領域のリーディングカンパニーとして、多くの方々に期待をしていただいているリクルートキャリアという会社にいるならば、ぜひそこに挑戦すべきです。私が人材紹介領域にいたころ、求職者に対して人(キャリアアドバイザー)が行っていた求人紹介業務の一部をIT化するという企画を立案しました。それまで私たちは「面談でご希望を直接お聞きしたキャリアアドバイザーのみが求人紹介を行うべきだ」と信じてきたため、部分的とはいえ求人紹介のIT化に対しては、反対の声もありました。しかしその仕組みをはじめとするIT化を推進した結果、過去の企画では考えられなかったような多くの転職成功、採用成功を実現でき、売り上げとしても数十億のインパクトを残すことができました。

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机上で構想を膨らませる前に、小さな実験を重ねよ

新しいことを始めるときに起きる向かい風は、コツを掴めば、追い風へと変えることができます。大事なのは、机上で構想を膨らませる前に小さな実験を重ねること。一般的にリーン・スタートアップと言われている手法です。下手に先入観を持たずに、とにかく多くの実験を同時に走らせてみて、成功も失敗も、具体的な成果や数字を積み重ねていくのです。その実験結果を根拠に構想を練ると、続々と賛同者が現れます。人材紹介領域でのIT化も最初から最終形を思い描いていたわけではなく、いくつもの実験を経て、いい結果の出た施策だけを束ね、サービスモデルを構築していきました。特に不確実性の高い現代では、机上だけで構想を練ってもその通りに実現できるものは、ほんの少しです。実験をふまえることで、企画をより“筋”の良いものにしていくことができるのです。普通、大企業ではリーン・スタートアップはなかなか成立しないのですが、リクルートキャリアは、それが成立する珍しい環境です。対峙するマーケットは巨大で、個人への裁量も大きいため、実験機会をいくらでもつくることができます。もし「優秀な企画人とは何か?」と問われたら、私はこう答えます。斬新な発想をする人間が優秀な企画人なのではない。かつてない機能を実現することが企画の仕事でもない。世の中や手がけるプロダクトに潜む課題を見つけ、解決する術を探り実現し、そして多くの人に活用していただき喜んでもらう。この一連の仕事を完遂してこそ優秀な企画人である、と。


※この記事は2016年3月時点のものです

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