後藤奈美

PRODUCTHELPMAN! JAPAN|介護業界の未来をつくる

介護業界の意識変革を実現した、
「採用」から「定着」への軌跡。

後藤奈美HELPMAN! JAPAN事業推進ユニット


HELPMAN! JAPAN
HELPMAN! JAPAN

日本の「介護」の兆しや業界のトレンド、新しい取り組みについてインタビュー記事を発信し、
介護業界に携わる人々やこれから携わる人々を応援するサービス。

後藤奈美
後藤奈美HELPMAN! JAPAN事業推進ユニット

2010年生命保険会社に新卒入社。「営業として一番をとったら次のステージに行く」と決め、2年で実現させる。2012年にリクルートエージェント(当時)に転職。3年間の人材紹介営業経験を経て、社内異動制度(iキャリア)を利用して自ら希望し、現職に。

定着率97%
奇跡と呼ばれた挑戦

2010年、介護業界の人材不足を解消するために、介護事業者、講談社の漫画『ヘルプマン!』とリクルートキャリアの三者がタッグを組んで始動した『HELPMAN! JAPAN』プロジェクト。「この業界は日本で唯一と言ってもいいほどの成長産業。でも、入社3年以内の社員離職率は全産業のなかでワースト1位※1です」と語るのはプロジェクトメンバーの後藤奈美だ。「調べてみると、介護業界に入職する人は年間で24.6万人。しかし1年後には22.4万人が退職し、そのうち6割は他業界に転身してしまう。2025年までに90万人を確保する必要がある※2と言われていますが、この定着率ではどんなに人を採用しても追いつくはずがない」。これまで「採用」の支援が中心だったプロジェクトは、さらに「定着」にも取り組むことになった。介護事業者と協力し、現場職員約300名に適性検査(SPI)を実施。彼らがどんな適性を持ち、どんな気持ちの変化が起こっているのかを詳細に分析し、2年間かけて研修プログラムを完成させる。「昨年の参加者は545人でしたが、1年後の定着率を調べると97%もの方が在籍されていました」。この挑戦は、業界専門誌でも“奇跡のプログラム”として大きく取り上げられたという。

  • ※1: 東洋経済「CSR企業総覧」編集長岸本吉浩、掲載社数1128社のうち、799社の調査による
  • ※2: 社会保障審議会 介護保険部会(第47回)資料による
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現場の声を、現場よりも知り尽くす

もともとは、自ら手をあげてプロジェクトに参画した後藤。しかし、提案までの道のりは一筋縄ではいかなかった。「52万人もの老人ホーム入居待機者がいるなかで、介護に携わる人員不足によって全国の介護施設の8割しか稼働できていないという現状※3があります。新しい施設をつくっても、事業を始められないのです。当初は99%の方から『定着なんかより、採用について提案してほしい』と反論されていましたし、目の前にある社会課題に対してなにもできない自分が悔しかった」。そんな後藤の心を支えていたのは、現場で働く“人”の存在。「この業界は人生最期の瞬間をともに過ごし、一生分のありがとうを受け取れる仕事。そんな方々の抱える「不」を解消し、イキイキ働ける環境をつくりたいという想いが私を突き動かしました」。後藤が接点を持った事業者数は2000以上。関連のセミナーやイベントにも毎日のように顔を出し、元気がない職員を見かけては職場に対する不安をヒアリングし続けた。ボランティアとして自ら職員の仕事を経験した回数も、20回以上にのぼる。次第に、後藤の言動が変わっていく。第三者が言う無責任な理想論ではなく、現場の声を踏まえたリアリティのある改善を提案する現実論へ。後藤自身が当事者になることで、次第に賛同者も現れるようになったという。

  • ※3: 厚労省 2014年特別養護老人ホームの入所申込者の状況による
後藤奈美 後藤奈美

介護職が就職先の選択肢として当たり前となる時代へ

当初は「ただでさえ人手不足なのに、研修なんかやっている余裕はない」と言われていたプログラム。しかし、現在では「来年はいつやるのですか」「予算とるから見積書だして」「研修後の振返りについてアドバイスがほしい」という声が続々と届くようになったという。「業界に大きな影響力を持つ方が『採用は定着につながらないが、定着は採用につながる』と仰ってくださったのが印象的で。介護業界が大きく変わっていくための、一歩を踏み出すことができたのではと考えています」。『HELPMAN! JAPAN』プロジェクトが目指すゴールは、介護職が当たり前のように将来就く職業の選択肢にあがる社会。「この業界のど真ん中の課題は“人にまつわる問題”。リクルートキャリアがこの領域をやらないという選択は絶対にありえませんし、これからはプロジェクトでしっかりと利益を出し、数十年後も業界を支えられるようなビジネスにしていきたい。社会課題解決と、事業収益を両立させる。決して簡単な道のりではありませんが、本気で社会起点で取り組むリクルートキャリアなら必ず実現できると確信しています」。

後藤奈美

※この記事は2016年3月時点のものです

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